2010 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な大規模臨床試験の実施システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
20590538
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上嶋 健治 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (40213334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 明 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50456901)
大庭 幸治 北海道大学, 北海道大学病院, 助教 (30422926)
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Keywords | 臨床試験 / EBM研究 / EDC / 中央測定 |
Research Abstract |
臨床試験の実施に当たっては、1)適格症例を定められた登録期間内に登録すること、2)試験参加医師からスムーズに登録票・調査票を回収すること、3)試験参加医師から定期的に欠損データの無い調査票を回収すること、に多くの資材が投入されている。本研究では、これらの過程をスムーズに行うために、1)臨床試験参加適格医師の効率的なリクルートシステム、2)電子登録および電子調査票システム、3)臨床検査機関からのデータ入手システム、の3つのシステムの基盤形成を目的としている。平成22年度は3年間の研究期間の総決算として 1) 臨床試験参加適格医師の効率的なリクルートシステム 臨床試験の症例登録数の80%は症例登録数の上位20%の医師からなることを明らかにし、臨床試験に手慣れた医師を試験にリクルートすることの重要性を明らかにした。当センターと共同研究の了解が得られて参加協力医師ボードに登録された医師は、その他の医師に比べて症例登録の率が高い傾向にあることを明らかにした。この参加協力医師ボードに登録された医師を積極的に活用することにより、現行の臨床試験に多くの医師をリクルートし得た。その結果、ASUCA試験では登録期間内に目標症例数を上回る症例を登録することができた。 2) 電子登録および電子調査票システム 最近開発されたUSBメディアを用いた登録システム(Satellite)をSAKURA試験とASUCA試験に採用した。両試験に携わったCRCへの調査ではEDCの利用は従来のFax利用によるデータマネージメントよりも質が高いと評価された。 3) 臨床検査機関からのデータ入手システム 当センターと検査会社である三菱化学メディエンスとの間で、本年度はSRLと担当医を介さずに直接電子化された血液・尿検査データを送受信するシステムを開発した。データに関する信頼度は高いものの、検査会社のカバーしきれない地域の医師にとっては利便性が低くなるという問題点も明らかになった。 以上のように本研究期間内に全体研究計画の予定どおりに成果をあげて目的を果たした。
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[Journal Article] 臨床試験の症例登録は一部の参加医師により大部分がなされるのか?:CASE-J試験によるパレートの法則の検証2010
Author(s)
大江陽子, 上嶋健治, 大庭幸治, 福富まさ美, 井上房子, 高木真理子, 中本まり子, 小林純子, 田中佐智子, 保野慎治, 藤本明, 中尾一和
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Journal Title
臨床評価
Volume: 38
Pages: 885-890
Peer Reviewed
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