2008 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素血症状況下でのアミノフィリン投与による中枢神経傷害およびその予防・治療戦略
Project/Area Number |
20590540
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
入江 徹美 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60150546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高濱 和夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80150548)
安東 由喜雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20253742)
石塚 洋一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (70423655)
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Keywords | アミノフィリン / 中枢神経傷害 / 医薬品副作用 / 新生児医療 / 呼吸興奮薬 / 薬物有害事象 |
Research Abstract |
早産・低出生体重児の無呼吸発作の治療に用いられるアミノフィリンの有効で安全な使用法を医療現場に提供するため、本研究では、1)構築した病態モデルの妥当性を検証し、2)病理組織学的観察、血液生化学的surrogate markerの特定、薬物濃度モニタリングなどの結果を総合的に解析して、本剤による中枢神経傷害の分子機序を明らかにし、3)その機序に基づいた中枢神経傷害の予防・軽減法を確立することを目的に検討を行った。平成20年度は、病態モデルの特性を評価しその妥当性について検証し、さらに薬物血中濃度測定を行い薬物動態学的観点から中枢神経傷害性に及ぼす影響を評価した。 動物を麻酔下人工呼吸器により1回換気量を制御し低酸素血症群では動脈血酸素分圧(PaO2)を40-60mmHgに、正常群ではPaO_2を80-100mmHgに調節した。ニッスル染色による病理組織学的に、血清中CK-BB活性・脳脊髄液中神経特異的エノラーゼ活性測定により中枢神経傷害を評価した。アミノフィリン(5,10,20mg/kg, i.v.)投与により、正常群では顕著な変化は見られなかったが、低酸素血将軍では中枢神経傷害パラメーターの有意な変化が見られた。このとき、血清中および脳脊髄液中のテオフィリン濃度を測定したが、正常群と低酸素血症群の間に著明な差はなく、また、中枢神経傷害マーカーと血中・脳脊髄液濃度との間に相関関係は見られなかった。これらから、低酸素血症時のアミノフィリンの投与により正常酸素条件では見られない中枢神経傷害が誘発されることが明らかとなり、それには低酸素による薬物動態の変動は関与していないことが示唆された。 今後中枢神経傷害のメカニズムについて検証していく予定である。
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Research Products
(1 results)