2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮機能を指標とした抗動脈硬化薬の薬効評価システムの開発
Project/Area Number |
20590542
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山川 研 University of the Ryukyus, 医学研究科, 助教 (00363664)
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Keywords | 血管内皮機能 / 動脈硬化 / 薬効評価 / インスリン抵抗性 / 代替エンドポイント |
Research Abstract |
1. ヒト脂肪負荷モデルおよび血液への脂肪酸添加実験から遊離脂肪酸の上昇は白血球の活性化を来すが、その少なくとも一部は白血球(単核球および多核球)のアンジオテンシン産生能の亢進、白血球内のアンジオテンシンタイプ1受容体を介していることを報告した(第30回日本臨床薬理学会、2009年、横浜)。 2. リポ多糖類の添加においても脂肪酸と同様な白血球活性化やアンジオテンシン産生能の亢進が認められた。遊離脂肪酸がリポ多糖類と同様に自然免疫受容体であるTLR4を活性化するという報告があり、脂肪酸負荷モデルにおける白血球活性化およびアンジオテンシン産生能亢進においてもこれら自然免疫系のシグナル伝達系路が関与する可能性が考えられた。しかしながらTLRのポイントミューテーションマウスを用いた実験ではFFAによるアンジオテンシンII産生亢進においてTLRの関与は証明できなかった。 3. 脂肪酸による白血球の活性化はMyeloperoxidase遊離を介して、ヒト血管内皮機能を低下させている可能性が示唆された。 4. ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は健常人において遊離脂肪酸上昇による酸化ストレスの亢進を抑制し、内皮機能障害を改善した。また、白血球の活性化も抑制した。遊離脂肪酸によるこれらの反応においてはレニンーアンジオテンシン系以外の経路も重要と考えられた。
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