2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮機能を指標とした抗動脈硬化薬の薬効評価システムの開発
Project/Area Number |
20590542
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山川 研 琉球大学, 医学研究科, 講師 (00363664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安 隆則 琉球大学, 医学研究科, 准教授 (40265278)
島袋 充生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任教授 (60271144)
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Keywords | 血管内皮機能 / 動脈硬化 / 薬効評価 / インスリン抵抗性 / 代替エンドポイント |
Research Abstract |
1.ヒトの脂肪酸負荷実験モデルで白血球(単核球および多核球)が活性化し、白血球内におけるアンギオテンシンII産生能が亢進することを見いだした。この活性化は採血後に脂肪酸を添加しても認められた。これらのことから、脂肪酸が白血球のアンギオテンシン産生系を活性化すること、この活性化が血管内皮機能障害に関与する可能性を指摘し、報告した。(Azekoshi et al. Hypertension. 5:136-42,2010.) 2.脂肪酸による血管内皮機能障害の機序を検討するために脂肪酸によって血管内皮細胞に誘導される遺伝子に関して検討を行った。分化した血管内皮細胞のモデルであるヒト臍帯静脈内皮細胞にパルミチン酸を負荷して、発現してくる蛋白を2次元電気泳動で解析した。コントロールとの比較で、脂肪酸によって誘導されるタンパク質を複数検出し、質量分析を行って分子を同定した。現在は脂肪酸によってこれら分子の発現が誘導される機序およびこれらの分子の生体内における機能に関する解析を進めている。 3.エイコサペンタエン酸(EPA)製剤による血管内皮機能の改善効果を検討するために、ヒト脂質異常症患者にEPA製剤を投与して血管内皮機能に影響する因子について検討した。EPA製剤投与によって前腕血管で測定した血管内皮機能の指標が改善した。EPA製剤は血圧や耐糖能、中性脂肪および血清コレステロール値など、血管内皮機能に関連する既知の代謝指標に影響しなかった。検討した範囲において、血中の脂肪酸組成の変化が血管内皮機能の改善度と相関していた。脂肪酸組成に対する介入が血管内皮機能障害を改善する可能性が考えられた(投稿中)
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