2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬物動態・遺伝子多型を指標とした抗がん剤投与量の新しい調節法の開発
Project/Area Number |
20590546
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
長島 文夫 Saitama Medical University, 医学部, 講師 (70348209)
|
Keywords | 塩酸イリノテカン / 遺伝子多型 / 薬物動態 / 個別化医療 / UGTIA1 / ABCC2 / ゲノム薬理学 / 用量調節試験 |
Research Abstract |
埼玉医科大学国際医療センター腫瘍内科で施行していた大腸がんに対するFOLFIRI併用療法の第I/II相試験が終了したのを受けて、平成20年度は、大腸がんFOLFIRI併用療法(実地臨床例を含めて)において、ABCC2遺伝子多型とイリノテカンの薬物動態の関連を明らかにした(Fujita K et al. Biol Pharm Bull.2008)。また、これまでに進めていたプロジェクト「塩酸イリノテカンの薬剤応答と解毒・排出系の遺伝子多型の解析研究」に基づき、当科で経験した症例約200例を検討したところ、日本人において好中球減少のリスクが高いと思われる、UGT1A1*6とUGT1A1*28についていずれかをホモ接合、あるいは両方をヘテロ接合で有する患者は我々の施設において約10%であったことを報告した(Akiyama Y et al. Ann Oncol.2008)。また、我々はUGT1A1*6とUGT1A1*28についていずれかをホモ接合、あるいは両方をヘテロ接合で有する患者における至適投与量を検討するための基礎データとして、同一患者内での容量調節に関する情報を蓄積してきている(Ichikawa W et al. J Natl Cancer Inst.2008)。引き続き、データを蓄積した結果、これらの高リスク患者における用量調節が実地臨床上、重要である判断した。平成21年3月にはUGT1A1遺伝子多型判定キットがいよいよ保険承認され、遺伝子多型を考慮した個別化医療が実地臨床でも不可決となるため、平成21年度は、これら高リスク症例を対象に、同一患者内での用量調節試験を開始する。
|
Research Products
(8 results)