2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子情報を利用したワルファリンによる抗凝固治療の個別化
Project/Area Number |
20590548
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高橋 晴美 Meiji Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (20211344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越前 宏俊 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (00191924)
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Keywords | ワルファリン / 個体差 / CYP2C9 / VKORC1 / INR / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
ワルファリン(WF)による抗凝固効果(INR)の個体差の原因を明らかにする目的で、日本人を対象として応答性に関与する体内動態と感受性の遺伝子変異(CYP2C9とVKORC1)の影響について無作為化臨床試験を実施した。対象患者数が目標数(100名)には到達できなかったが、現在までに得られた結果から判断した結果、両遺伝子変異に関して以下の影響が予想された。 1、WFの初期維持投与量:CYP2C9*3変異やVKORC1変異を有する患者では、変異数に伴い投与量が減少していた。 2、投与開始から安定した抗凝固効果を得るまでにかかる時間:CYP2C9*3変異を有する患者では投与量を減少し、一方、VKORC1野生型を有する患者では投与量を上昇するため、維持量設定までにより長い時間が必要であった。 3、初期維持量設定までの抗凝固効果の個体内変動:CYP2C9*3変異を有する患者では導入期にINRの変動(INR>4)の傾向が認められたが、VKORC1変異型患者においては導入期においてINR>4となる傾向はほとんど認められなかった。 4、初期維持量設定までの投与量の個体内変動:CYP2C9*3変異型患者、及びVKORC1野生型患者では維持量設定までに投与量をそれぞれ減少、上昇させる必要性があった。 5、初期維持量設定までにおけるover-anticoagulation(INR>4):CYP2C9*3変異を有する患者では投与量の増加に伴うINR>4の傾向が認められた。 今後、初期維持量設定後のINRと投与量の個体内変動について検討していく予定である。
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Research Products
(5 results)