2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂質代謝を制御する酵素活性の新たな測定法の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
20590560
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 淳二 Kanazawa University, 医学系研究科, 特任教授 (60302577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野原 淳 金沢大学, 医学系研究科, 特任助教 (50313648)
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Keywords | リポ蛋白リパーゼ / 肝性リパーゼ / ANGPTL3 / sdLDL |
Research Abstract |
リポ蛋白リパーゼ(LPL)、肝性リパーゼ(HL)は脂質代謝においてkey enzymeである。それらの活性測定は、酵素が遺伝性に欠損した病態の把握のみならず、家族性複合型高脂血症などの脂質代謝異常症、メタボリックシンドロームなどの病態把握に必須である。Angiopoietin-like protein-3(ANGPTL3)は、マウスにおいて、LPL活性を阻害する因子として注目され、トリグリセリド(TG)と逆相関する一方、ヒトでは、HDL代謝と深く関与することが注目されている。sdLDLはサイズの小さなLDLで催動脈硬化性がきわめて高い性質を有する。今年度は、主に、これらsdLDL、ANGPTL3と、LPL活性やHL活性との相関性を検討した。対象は、23名の米国人の肥満者で年齢40-71歳、BMI25-35。空腹時と食後、別の日にも同様に計4回採血をうけた。LPL活性、HL活性の測定は、体重あたり50単位のヘパリンを静注後15分後に採血した血漿を用いた。TGはLPL活性と逆相関(r=-0.60,p<0.001)、HL活性とは相関なし(r=0.07,ns)。同様に、remnant-like particle(RLP)-CはLPL活性と逆相関(r=-0.45,p<0.001)、HL活性とは相関なし(r=0.001,ns)。HDL-CはLPL活性と正相関(r=0.44,p<0.001)、HL活性とは逆相関(r=-0.40,p<0.001)した。sdLDLはLPL活性と逆相関(r=-0.36,p<0.001)、HL活性と相関なし(r=-0.12,ns)。一方、ANGPTL3値はLPL活性と相関しなかった(r=-0.04,ns)が、HL活性と逆相関(r=-0.38p<0.001)した。 今回の検討から、人では、マウスの場合と異なり、ANGPTL3はLPL活性でなく、HL活性を阻害する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Expression of human apoAII in transgenic rabbits leads to dyslipidemia. A new model for combined hyperlipidemia.2009
Author(s)
Koike T, Kitajima S, Yu Y, Li Y, Nishijima K, Liu E, Sun H, Waqar AB, Shibata N, Inoue T, Wang Y, Zhang B, Kobayashi J, Morimoto M, Saku K, Watanabe T, Fan J.
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol 29
Pages: 2047-2053
Peer Reviewed
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