2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者における血栓形成亢進機序の解明と簡便な血小板凝集能の検査法の確立
Project/Area Number |
20590565
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
徳田 治彦 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (10397325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 修 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90225417)
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Keywords | 糖尿病 / 血小板 / 血栓 / ストレス |
Research Abstract |
血小板は血管が損傷を受けると速やかに粘着・凝集反応を起こし、この結果、血栓が形成され血管損傷部位が塞がれる。この生理的な止血機構において血小板が中心的な役割を担っていることは周知のことである。一方、種々の病態において病的な血栓形成がその発症のトリガーであると考えられており、この病的血栓形成においても血小板が重要な役割を果たしていると推測されている。しかし、その病的血栓形成の機序の詳細は未だ明らかではない。 外的環境変化に対し生体は迅速に応答・適応し、そのホメオスターシスを維持する。これら環境要因の変化に対する生体の応答反応をストレス応答と呼んでいるが、ストレス応答の際、組織・細胞レベルで誘導される一連の蛋白質が誘導されることが知られ、これをheat shock protein(HSP)あるいはストレス蛋白質と総称している。HSPはその分子量によって、高分子量HSPと低分子量HSPの2つのグループに分けられている。HSP27は低分子量HSPファミリーの一員であり、血管平滑筋および血小板を含む種々の組織に存在することが報告されている。しかしHSP27をはじめとする低分子量HSPの生理的および病態における役割の詳細は未だ明らかとされていない。 今回,低分子量HSPファミリーの一つであるαBクリスタリンの血小板機能に及ぼす細胞外作用を検討した。その結果、αBクリスタリンがADP刺激による血小板凝集能には殆ど影響を及ぼさないが一方、血小板活性化に伴うplatelet-derived growth factor-AB及びserotoninの顆粒分泌を抑制することを明らかとした。
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