2009 Fiscal Year Annual Research Report
高感度TSHレセプター抗体測定法を用いたバセドウ病発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
20590569
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日高 洋 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (30243231)
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Keywords | TSHレセプター抗体 / バセドウ病 / アレルギー性鼻炎 |
Research Abstract |
I型アレルギーでは、ヘルパーT細胞のうちIL-4、IL-5などを分泌するTh2が活性化して、IgE産生や好酸球の活性化をおこすことが分かっている。これらのサイトカインはIgG産生も誘導するので、我々はI型アレルギーでおこるTh2の活性化により、バセドウ病の病因IgG抗体であるTSHレセプター抗体(TRAb)産生が誘導され、バセドウ病が増悪するのではないかと推定している。これを証明するためには、アレルギー性鼻炎を合併したバセドウ病患者の末梢血リンパ球をスギ花粉で刺激することでTRAbの産生が見られることを証明する必要がある。しかしながら従来のTRAb測定法では、その感度の問題でこのことを証明することができなかった。最近になってTRAb測定法は第3世代が開発され、その感度が向上したことを受けて本研究では、アレルギー性鼻炎を合併したバセドウ病患者の末梢血リンパ球をスギ花粉で刺激し、TRAbの産生を調べることで、アレルギー性鼻炎によるバセドウ病の発症メカニズムを証明することにした。昨年度の研究により、バセドウ病患者では、末梢血単核球をPWMと共に培養することにより、上清中のTRAbを高感度の第3世代TRAb測定法で検出できることが明らかになった。本年度はスギ花粉症を合併したバセドウ病患者の末梢血単核球をスギ花粉抗原の刺激し、培養上清中のTRAbが検出できるかを検討した。検討した6名中2名でTRAbが0.6IU/L、2.3IU/Lと検出できた。本年度の研究により、少なくとも一部のスギ花粉症を合併したバセドウ病患者では、末梢血単核球培養上清中のTRAbを高感度の第3世代TRAb測定法で検出できることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)