2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590570
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高野 徹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00263236)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 穿刺吸引細胞診 / 甲状腺 / IgH遺伝子 / モノクロナリティー |
Research Abstract |
今年度も昨年と同様、甲状腺悪性リンパ腫を疑う症例がちの穿刺検体の収集を進めたが、症例数が少ないために診断確定のための生検まで至った症例は無かった。 症例の集積が困難な原因として、従来のVR法のプロトコールでは1回目のPCRでの増幅の後で吸引器でPCR産物を吸引してプライマーを除去する作業が入るが、この吸引器は一般の検査室で常備されていないためVR法の施行が多くの施設で困難であることが考えられた。そこで、多くの施設で常備されている卓上遠心器とサーマールサイクラーのみでVR法の施行が可能なようにプロトコールの改変を試みた。方法としては下記の2つを施行した。1)1回目のPCR後、吸引器を使用せずにPCR産物をカラム精製して、精製物を2回目のPCRで増幅する(カラム精製法)。2)1回目のPCRを低濃度のプライマーを使用して低容量で施行し、その後高濃度のinternal primerを含んだ2回目のPCRの反応液を大量に加えて増幅する(single tube法)。過去に収集した悪性リンパ腫から採取したDNAを使用して上記の2方法でIgH遺伝子のmonoclonalityの検出が可能かどうか検討した。どちらの方法でも従来の吸引器を使用する方法と同様にIgHのmonoclonalityの検出が可能であったが、single tubu法では条件によってはPCR後に余分なバンドが出現し、false positiveの結果をもたらすことがあった。これに対し、カラム精製法では条件によっては本来出ていたmonoclonalityのバンドが消失することがありfalse negativeの結果をもたらす可能性が考えられた。いずれの方法も条件を整えることで従来法と同様にVR法が施行できることが確認された。
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Research Products
(7 results)