2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病検査試薬ケトアミンオキシダーゼの多角的アプローチによる高機能化
Project/Area Number |
20590579
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 正 Kyushu University, 薬学研究院, 教授 (90184928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大栗 誉敏 九州大学, 薬学研究院, 助教 (70346807)
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Keywords | ケトアミンオキシダーゼ / タンパク質の安定化 / Gly-Pro配列 / 糖尿病 / グリコアルブミン |
Research Abstract |
糖尿病の指標として最近血液中のグルコースとアルブミンが反応して生成するグルコアルブミンの量を測定する方法が開発された。しかし、グルコアルブミンを測定する際に必須な酵素であるケトアミンオキシダーゼ(KAOD)がやや不安定である。この点を解決するために、変異体を調製によりKAODを安定化することを試みた。まず、我々はKAODの大腸菌発現系を構築した。次に、培養した大腸菌を粉砕した後、遠心分離すると上清に発現し、立体構造を持っていることを示した。KAODはまだその立体構造が明らかとなっていないので、その一次配列より安定化のデザインを試みた。我々は、タンパク質内のPro残基のN末端側にGly残基を導入することで、タンパク質を安定化する方策を提案している(Ueda et al.Protein Eng,1993)。KAODには、27個のProが存在するが、市販のソフトウエアーで2次構造予測を行い2次構造中に存在しないPro残基(P45、P89、P187、P249、P300、P359、P402、P413)に着目した。そこで、それらのProのN末側のアミノ酸残基をGlyに置換したS45G、D88G、S186G、T248G、Y299G、H358G、R401G、D412Gの変異を持っ形質転換体を作成した。少量培養で発現を確認したところ、D88G、H358Gは培養後、大腸菌を粉砕して遠心分離したが、上清画分には生じなかった。これ以外の6個の変異体を大量に培養して、陰イオン交換クロマトグラフィーにて精製し、SDS-PAGEで単一のものを得た。それらを中性にて、20、40、50、60℃で10分間加熱して、残存量を野生型(変異を施していないもの)と比較した。その結果、いずれも野生型より残存量は低く、この方策で安定なKAODは作成できないことがわかった。並行して市販の種々のスクリーニングキットを用いて、KAODのX線結晶化を行っているが結晶化条件は絞られていない。
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Research Products
(1 results)