2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病検査試薬ケトアミンオキシダーゼの多角的アプローチによる高機能化
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20590579
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 正 九州大学, 薬学研究院, 教授 (90184928)
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Keywords | 酵素 / 機能向上 / 糖尿病 / X線結晶解析 |
Research Abstract |
ケトアミンオキシダーゼ(KAOD)は、441個のアミノ酸から構成される分子量約50kDaの酸性蛋白質であり、フラビンを補酵素として、糖化アミノ酸を分解して過酸化水素を発生する酵素である。平成20年度は一次配列を基に、平成21年度は一次配列の相同性の高い酵素の立体構造を基に、それぞれアミノ酸変異体を作成して、長時間活性をもつKAODの創製を行ったが、広範なアミノ酸変異体を作成したにも関わらず、期待通りの安定化ができなかった。この理由は、用いているKAODの立体構造が解析されていないことに起因すると考え、本年度はKAODの結晶化に焦点を絞り、そのX線結晶解析を実施することを目的として実験を行った。結晶化のスクリーニングは一昨年度、昨年度実施していたが、良い結晶が得られていないので、今年度はKAODをHPLC用のリソースQカラムを用いて,KAODの純度の向上を行うとともに、精製後から結晶化までの手順を速やかに行うなどの工夫をした。さらに、市販されているあらゆるスクリーニングキットで結晶化を試した。スクリーニングキットで条件を絞り込み、再現性を調べた結果、蒸気核酸法により、沈殿剤にポリエチレングリコール、イソプロパノールを用いた条件で、有色の結晶が得られた。その後、その結晶にX線をあて、反射データを解析すると蛋白質の結晶であることがわかったが、モザイク状の結晶だったので、この反射データからKAODの立体構造を解析することはできなかった。
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Research Products
(2 results)