2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590581
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
野村 創 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (80253839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 昭彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (70204047)
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Keywords | 感染症 / HTLV-1ウイルス / 生体分子 |
Research Abstract |
ATL発症に関する危険因子リストに挙げられた感染関連分子(TaxやTSLC1等)の異常と発症リスクとの相関や臨床検体におけるこれらの分子の危険因子としての特性について解析を行っている。得られた知見による臨床検査の一環として発症危険群のスクリーニングが実施できるシステムの構築を目指し、以下のような解析を行った。 1. 当研究室におけるHTLV-1キャリアに関する長期間のコホート研究でのキャリア検体、及び、日常診療で見出されるキャリア患者検体に対して、感染関連分子であるTSLC1の発現(RNA、蛋白)変動について検討した。TSLC1分子の全長、もしくはその断片に対する特異抗体を準備し、検体における検出を試みた。臨床検体と年齢と性別を一致させた健常人ボランティアを対照として血清及び血漿を用いて、その検出率の違いなども検討した。また、感染細胞の抽出物を作成し、それぞれリアルタイムPCRやイムノブロット、免疫沈降法を用いて、各分子のmRNAやタンパクの発現変動や相互作用を測定した。HTLV-1プロウイルス定量、クローナリティー解析等も併せて実施した。今後、解析検体数を増やし、発症リスクとの相関を評価できるように解析を進めていく。 2. 培養T細胞のHTLV-1感染細胞関連分子の発現や活性化制御についての分子生物学的検討を行うべく、臨床検体由来Tリンパ球の培養系の確立を試みた。臨床検体(コホート研究由来保存サンプルや日常診療におけるキャリア患者)など利用し、in vitro感染解析系に活用する培養Tリンパ球の確立に必要な培養条件などの検討を行ってきた。
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