2009 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性フィブリンの血中動態と血栓症における測定意義に関する研究
Project/Area Number |
20590583
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
家子 正裕 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 教授 (50250436)
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Keywords | 可溶性フィブリン / フィブリンモノマー複合体 / 抗リン脂質抗体症候群 / 急性心筋梗塞 / 先天性血栓性素因 |
Research Abstract |
1. 血栓性疾患における可溶性フィブリン(SF)の測定 (1) 急性心筋梗塞症例で、特に発症24時間以内の急性期にFMCの増加を確認した。これはFMCおよびSFが局所の血管における血栓形成を反映しうることを証明した(Tohoku J Ex Med. 219 ; 25-31, 2009)。 (2) 抗リン脂質抗体症候群やDICで線溶活性が亢進した状況での血栓形成の場合もFMCは増加を示し、しかもD dimerとは濃度推移を異にしており、FMCは線溶活性に影響されず血栓形成傾向を反映することが分かった。 2. 形態によるSFの分離とその意義 (1) 血栓症患者の血漿には、0.45μmフィルターで除去される高分子SFが平均20.2%、さらに0.20μmフィルターで除去される中等度分子SFが約2.7%、そして0.20μmフィルターでも除去されない低分子SFが77.1%存在した。血栓形成直後と思われる血漿では高分子および中等度分子SFの割合が増加し、血栓が完成するに従って徐々に低分子SFの割合が再び増加する傾向が認められた。二次線溶を反映するものと考えられる。 (2) 血栓症患者血漿を等電点電気泳動後、抗モノクローナルFM抗体(F405)を用いたWestern Blottingを行いSF(FM)の分布を二次元で解析することができた。この方法により二次元的に増加する染色スポットで血栓形成の時期が推定できる可能性があり、症例を増やして検討中である。
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