2009 Fiscal Year Annual Research Report
内因性ジギタリスの構造解析とその電解質・血圧調節に占める役割の解明
Project/Area Number |
20590589
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
高橋 伯夫 Kansai Medical University, 医学部, 教授 (80094431)
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Keywords | 内因性ジギタリス / アルドステロン / 副腎 / 視床下部 / ナトリウム塩 |
Research Abstract |
内因性ジギタリスの中でもMarinobufotoxin(MBT)を標的にして研究しており、世界的にみても独創的な課題である。今年度については、交付申請書で述べたように、アルドステロン(Ald)の特異的受容体拮抗薬であるエプレレノン(Epl)を入手したので、ラットに投与し、食塩負荷の影響とともに検討した。その結果、食塩負荷ラットの血圧は上昇し、Eplの投与は、その血圧上昇を有意に低下させた。同様に、食塩負荷をしない群でも血圧を低下させた。 Marinobufogenin(MBG)様免疫活性(MBGi)をELISAにて測定したところ、血中濃度は各群の血圧変動に一致して、特に食塩負荷をしていない群での低下が顕著であった。さらに、副腎中のMBGiを測定したところ、Epl投与群で非投与群に比して有意に減少していた。このことから、Aldは、少なくとも副腎からMBGやMBTの産生を刺激している可能性が高い。ただし、今回の検討では、食塩負荷の影響が、従来の研究成果と異なり顕著に見られなかったことは実験系に何らかの問題があった可能性があり、詳細な点について検討中である。 さらに、内因性ジギタリスの産生部位として知られている脳内での変動を検討中であるが、視床下部をブロックで切り出し、その中のMBGiを測定したところ濃度といしては高くないが、Epl群で低値傾向を示したことから、脳内でのAldの役割も重要に関与するものと考えている。脳内でのMBGやMBTの存在とその局在については昨年に引き続いて免疫組織化学やマススペクトロメトリーで検討中である。
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