2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい腫瘍マーカーMK-1の癌の診断と治療における有用性の検討
Project/Area Number |
20590593
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
黒木 政秀 Fukuoka University, 医学部, 教授 (40122692)
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Keywords | 癌 / 免疫学 / バイオテクノロジー / モノクローナル抗体 / MK-1 |
Research Abstract |
新しい腫瘍マーカーとして大きな期待が寄せられているヒト上皮細胞抗原MK-1について、その癌の診断と治療における有用性について調べるもので、平成21年度は、以下の点を検討した。 まず、これまでの胃癌や大腸癌になどにおける解析結果に加え、胆嚢癌おけるMK-1発現の意義を検討した。胆嚢癌標本を対象にしたマウス抗MK-1抗体(FU-MK-1)による免疫染色の結果、MK-1発現が胆嚢癌の分化度、壁深達度、TNM stageと相関し、MK-1発現陰性例が有意に予後不良であることが明らかになった。また、肝転移、腹膜播種、静脈侵襲,神経・傍神経浸潤などの進行が胆嚢癌の予後不良因子であることも明らかになった。 つづいて、ヒト型抗MK-1抗体の免疫遺伝子療法における有用性も検討した。具体的には、ヒト抗MK-1モノクローナル抗体(抗体M13-13ないしM11-29)のハイブリドーマよりヒト抗体のH鎖およびL鎖のV領域を挟むプライマーを用いてH鎖およびL鎖のV領域遺伝子を単離した。次いで、単離したH鎖およびL鎖のV領域遺伝子をリンカーで挟んで結合し、単鎖抗体遺伝子を作製するとともに、ヒトのCD8、CD28およびCD3ζ遺伝子と連続して結合させることによりキメラのT細胞レセプター(chimeric T cell antigen receptor : CAR)遺伝子を作製した。作製したCAR遺伝子をヒトのT細胞株であるJurkat細胞に発現させて、そのT細胞としての機能を解析した。その結果、CAR発現Jurkat T細胞は、CEA発現癌細胞に反応して活性化されることが証明された。以上の結果より、ヒト型抗MK-1抗体の免疫遺伝子療法における有用性が示唆された。
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Research Products
(5 results)