2009 Fiscal Year Annual Research Report
残留性有機フッ素化合物の体内動態のモデル化と個体差に関する研究
Project/Area Number |
20590597
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 浩二 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (80452340)
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Keywords | 衛生 / 環境 / 分析化学 / 社会医学 / 薬学 |
Research Abstract |
環境汚染物質として注目されているペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびペルフルオロオクタン酸(PFOA)はヒト体内に蓄積しやすいことが知られている。この原因を知るために一般人口での曝露量と排出に関わるメカニズムの検討が必要であると考えた。PFOA・PFOSの曝露の違いを国際的に検討するため、韓国、ベトナムの成人女性の血清中PFOA・PFOS濃度を評価した。ベトナムではPFOAは極めて低値を示し、曝露量の違いが顕著であることが示唆された。現在、その他フッ素化脂肪酸を測定し、蓄積パターンの評価を開始した。またヒトでも胆汁中には比較的高濃度のPFOS・PFOAが含まれることから、腸肝循環の与える影響をシミュレーションモデルでの検討を開始した。動物実験において、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体αの欠損マウスでPFOA投与を行ったところ、胆汁中PFOA濃度の低下が見られた。またリン脂質輸送分子MDR2の発現量が減少していたため、 MDR2の関与が示唆された。野生型マウスでは投与量の増加に伴いMDR2は発現が上昇し、胆汁/肝臓濃度比も相関して高くなったことも認められた。しかし、血清中濃度の変化は野生型、欠損型で違いはなく、腎臓からの排出が高いことと、腸肝循環によって、野生型でも糞への排出は少なくなっていると考えられた。現在、MDR2のPFOA輸送メカニズムを検討するために、MDR2欠損マウスを用いて体内動態を検討している。
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Research Products
(9 results)