2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590610
|
Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
里見 佳子 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (90270678)
|
Keywords | カロテノイド / G1アレスト / GADD45 / アポトーシス / P450 / 抗腫瘍作用 |
Research Abstract |
1.機能性に関する研究;抗腫瘍作用の解析 特異なブテノライド構造を持つキサントフィルであるペリジニンが、HepG2肝臓がん細胞の増殖を抑制することがわかった。50%増殖抑制濃度は約10μMであり、ほぼフコキサンチンと同様であった。細胞周期への影響を見た所、低濃度ではG1アレストを起こすが、高濃度ではアポトーシスを起こすことを示唆する結果を得た。HepG2細胞においてフコキサンチンは高濃度でもアポトーシスを起こすことは見られなかったことから、ペリジニンとフコキサンチンは異なる経路で抗腫瘍作用を発揮していることが考えられる。両者の構造の大きな違いは、ブテノライド環の有無であることから、この構造が作用と関連していることが考えられる。 フコキサンチンの作用におけるPIM1とMDM2の関与については現在の所、明確な結果は得られていない。 2.安全性に関する研究;P450に対する影響 フコキサンチンはCYP1A1、CYP1A2、CYP3A4のいずれについてもin vitroの系で酵素活性を抑制した。その50%抑制濃度はそれぞれ、約12.5μM、49μM、11μMであり、CYP1A1とCY3A4に対する抑制作用が強いことがわかった。その阻害様式は全て混合型であった。また、ペリジニンもCYP3A4の酵素活性を抑制することが示された。この結果より、フコキサンチンは発癌物質がCYP1A1/2により活性化されることを抑制するが、一方で、CYP3A4により代謝される薬物の作用を増強する可能性があることが示唆された。
|