2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590612
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
工藤 雄一朗 Kitasato University, 医学部, 講師 (60348505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 正史 北里大学, 医学部, 准教授 (00271221)
三木 猛生 北里大学, 医学部, 助教 (00327397)
相澤 好治 北里大学, 医学部, 教授 (10124926)
佐藤 敏彦 北里大学, 医学部, 准教授 (10225972)
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Keywords | ナノ粒子 / フラーレン / 生体影響 |
Research Abstract |
近年、ナノテクノロジーの進歩によりナノ粒子と呼ばれる微小粒子の開発が進んでいる。代表的な物質であるフラーレンやカーボンナノチューブは半導体や化粧品などに使用されている。これらの物質の健康影響は、呼吸器系さらに心臓血管系および中枢神経系などへ移行し、臓器への影響が報告されているが、未解明の部分も多い。ナノ粒子の毒性評価の問題点として以下のことが挙げられる。一般的に毒性を初めとする生理活性を検討するには水溶媒系が用いられるが、この水溶媒系で化合物がどのような状でいるかは重要な要因である。そのためナノ粒子・微粒子を再現性よく水系にアプライする方法を確立する必要がある。本年度はフラーレンについて試料作成を行った。また、ナノ粒子・微粒子の体内動態の検討法を確立する必要がある。体内動態とは、ある化合物の体内吸収、体内分布、代謝、排泄、さらに蓄積性を指し、化合物の毒性などを考える際にはこの体内動態が重要である。医薬品においては規格に沿って体内動態が徹底的に調べられるが、ナノ粒子・微粒子の場合では体内動態の検討法が確立していない。そこで本年度は、まずフラーレンC60(99%)およびその誘導体(PCBM)について、分散液濃度:各試料それぞれ20μg/ml、40μg/ml、80μg/ml、160μg/ml、320μg/mlの5種類とcontrolとして分散剤のみのものを必要量:それぞれ10mlずつ合計11サンプルを作成した。作成するにあたり、フラーレンを生産しているフロンティアカーボン株式会社にご協力頂いた。来年度から本試料を使用し、ラットに気管内投与し、肺影響評価および各臓器への影響評価を行う予定である。
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