2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590612
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
工藤 雄一朗 Kitasato University, 医学部, 講師 (60348505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 好治 北里大学, 医学部, 教授 (10124926)
佐藤 敏彦 北里大学, 医学部, 教授 (10225972)
角田 正史 北里大学, 医学部, 准教授 (00271221)
三木 猛生 北里大学, 医学部, 非常勤講師 (00327397)
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Keywords | ナノ粒子 / フラーレン / 磁界測定法 / 緩和 / 肺障害性 |
Research Abstract |
【目的】ナノ粒子は新規の物質として産業界で幅広く使用されている。しかし、実用化されてから間もないため、生体影響が不明なものが多いのが実情である。そこで本研究ではナノ粒子の一つであるフラーレンとその誘導体であるPCBMの生体影響を肺磁界測定法を用いて評価した。【方法】フラーレンとその誘導体であるPCBMをオスWisterラット8から10週令6匹に100μg/ml,200μg/mlをあらかじめ分散材(界面活性材)を混ぜた試料を0.5ml気管内投与した。分散材がラットに影響を与えるかを確認するため分散材を単独で40μg/ml、80μg/mlに調整し、ラット各6匹ずつ投与した。さらに陰性対照群として食塩水0.5mlをラット6匹に投与した。磁界測定によって観察される緩和の指標として投与1日後に四三酸化鉄を0.3mg/mlを食塩水に混ぜ気管内投与した。その後外部磁化をかけ、ラットから発生する残留磁界を20分間測定した。【結果・考察】測定結果は1日後と3日後までのものを示す。肺障害性を示す20分後の残留磁界はフラーレンとPCBM投与群、分散材投与群、食塩水投与群ともに差は見られなかった。また、磁化後2分間の緩和係数も差は見られなかった。以上から投与3日後までの観察期間でフラーレンとPCBMの肺障害性は見られなかった。この理由はこれらのナノ粒子は肺胞マクロファージの食胞に取り込まれ、食胞が迅速に回転したためと考えられる。【展望】今後は現在の実験を継続し、投与1年後まで測定を行い、肺障害性を評価する予定である。
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