2008 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠衛生教育が労働者の健康およびQOLに与える効果
Project/Area Number |
20590613
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
田中 克俊 Kitasato University, 大学院・医療系研究科, 准教授 (30365176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美加 福岡大学, 医学部・看護学科, 講師 (70412765)
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Keywords | 睡眠衛生教育 / 睡眠保健指導 / 産業保健 / 自律神経 / 労働者 / 無作為割付 |
Research Abstract |
平成20年度は、機械製造業に従事する労働者を対象とした集団睡眠衛生教育の介入及び効果評価及び製鉄業の労働者を対象とした睡眠個入指導の介入を行った。 【1.集団睡眠衛生教育の介入及び効果評価について】事業場単位で無作為にA,B2つのグループに分け、先にAグループへの質問票調査と睡眠教育(集団教育および個人保健指導)を行った。(倫理的配慮からその後Bグループに対しても同様の教育指導を行った。)介入の効果は前半の時期(Aグループ介入群、Bグループ対照群)の結果を用いた。 睡眠集団教育の内容:American Academy of Sleep Medicineのガイドライン、National Institutes of Health(NIH)が作成した睡眠教育用のテキストおよび「健康づくりのための睡眠指針〜快適な睡眠のための7力条〜」をもとに、精神科医および訓練を受けた産業医(滋賀医科大学睡眠コンサルタント研修受講者)により、睡眠の生理および望ましい行動や習慣について睡眠衛生教育を1.5時間行った。現時点で約500名に対する教育が終了し、介入群、対照群の2群間で抑うつ、全般的健康度、昼間の眠気において、2群間で有意なeffect sizeが認められた。(現在海外論投稿準備中) 【2.睡眠個人指導の介入】生活習慣病罹患者、不眠の訴えのある労働者(アテネの不眠尺度で4点以上)、希望者を対象に腕時計型生体センサ(東芝製)を用いた睡眠中の自律神経のモニタリングの結果をもとに、産業看護職による個別の睡眠保健指導が開始された。これまで収集されたデータからは、生活習慣病罹患者における夜間の交感神経の優位性が見いだされつつある。睡眠に関連する客観的指標が示されることで労働者は睡眠保健指導に積極的に臨んでいる。産業看護職に対しては保健指導用マニュアルをもとに事前の教育を実施している。今後は個人指導の中に睡眠に関する認知行動療法も取り入れていく予定である。平成21年度よりビール醸造業及び化学工業の労働者も研究参加予定である。
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