Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 弘文 日本医科大学, 医学部, 講師 (50213111)
若山 葉子 日本医科大学, 医学部, 講師 (40104062)
李 卿 日本医科大学, 医学部, 講師 (50250048)
勝又 聖夫 日本医科大学, 医学部, 助教 (80169482)
大塚 俊昭 日本医科大学, 医学部, 講師 (80339374)
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Research Abstract |
【はじめに】メタボリックシンドローム(MetS)発症には,インスリン抵抗性が肥満とならんで重要な要因である.特に疲労が蓄積・持ち越されやすい男性社員で,交替制勤務者のMetSリスク評価を行った. 【対象と方法】自動車製造企業男性社員のうち,明らかな睡眠障害で治療中の者を除く40歳代を対象とした.法定健診項目以外に血清インスリン(EIA法)を測定した、併せて,睡眠や交代勤務状況を含む生活習慣問診票を用いた.交替制勤務者の一部には,アクチウォッチを装着し睡眠状況を観察した. 【結果およびまとめ】40~49歳男性は1611名で,平常日勤921名,2交替勤務570名,3交代勤務87名,その他33名であった(欠損1名).問診票による睡眠時間は,6時間以上463名,5~6時間773名,4~5時間340名,4時間未満35名であった(欠損1名).勤務状況別MetS割合は,平常日勤17.2%(158/921),2交替勤務13.3%(76/570),3交代勤務13.8%(12/87),勤務状況別にみた睡眠で休養が取れない割合は,平常日勤48.5%(443/914),2交替勤務51.5%(290/563),3交代勤務44.8%(39/87)であった.これらの割合に統計的有意差は認めなかった.一方,勤務状況別にみた血清インスリン幾何平均(幾何標準偏差)は,平常日勤6.8(1.8)uIU/mL,2交替勤務5.6(1.8)uIU/mL,3交代勤務6.1(2.0)uIU/mLで,2交替勤務者のインスリン値は日勤者のそれよりも有意に低かった.さらに,3交替勤務者1名について,アクチウォッチ(ITC社製)による睡眠時間を各1週間ずつ測定した結果,日勤299.0分,2直476.0分,3直323.0分であった.また,2交替勤務者4名について,同様の比較を行ったが,早出日勤338.0分,2直388.8分であった.2直勤務は睡眠時間がより長くなる結果であった.
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