2008 Fiscal Year Annual Research Report
学校現場で日常的・継続的に実施できる児童生徒のうつ状態チェックプログラムの開発
Project/Area Number |
20590635
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
竹内 一夫 Saitama University, 教育学部, 教授 (60251089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 由起子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30342687)
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Keywords | 学校 / 児童生徒 / うつ状態 |
Research Abstract |
本研究の目的は児童生徒のうつ状態の有無について、養護教諭らが業務の中で日常的かつ継続的にスクリーニングすることのできる簡便なプログラムを学校現場に提示することである。具体的には、うつ状態について児童生徒自身が記入する簡便な自記式質問票と養護教諭が観察により記入する簡便なチェックリストを組み合わせたチェックプログラムの有効性(信頼性と妥当性)を検証し、それを学校現場に配布、公開して実用に供することである。本年度は、予備調査のデータを用いて、使用する質問紙中の尺度の妥当性の検証を行った。 児童生徒自身への自記式調査票は「児童生徒の健康状態サーベイランス」項目の中の「気分の調節不全」尺度に属する8項目と臨床診断的意義の強い自記式うつ状態判定用尺度DSO(27項目)および過食に関する6項目から構成されていた。 1公立中学校生徒、男女496名において、気分の調節不全傾向陽性者は男子5.6%、女子5.3%であり、DSD陽性者は男子5.6%、女子7.3%であった。両尺度の判定結果のクロス表より、Fisherの直接法によって関連の有無を検,定したところ、男子は有意確率p=.005、女子ではp=.059であった。女子では必ずしも有意な結果ではなかったが、両者の間に関連のあることが示唆された(併存的妥当性)。 各項目の内容的妥当性については、各分野の専門家による検証が行われ、一定の評価が得られた。ただし、質問文の文章や項目数等について、いくつかの指摘があった。これらの知見に基づき、質閤内容について整備がなされ、次年度調査に向けた最終改訂が実施された。
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