2008 Fiscal Year Annual Research Report
病院ベースの患者対照研究により閉経後の卵巣の意義を探る
Project/Area Number |
20590646
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上村 浩一 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (50346590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日吉 峰麗 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30363162)
有澤 孝吉 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30203384)
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Keywords | 閉経後女性 / 自然閉経 / 両側卵巣摘出 / 骨代謝 / 骨密度 / 脂質代謝 / 血管脈派速度 |
Research Abstract |
課題研究の遂行にあたり、おおまかな傾向を知るために、これまでに徳島大学病院産科婦人科外来を受診し、種々の治療開始前のデータ(閉経年齢、閉経の種類、BMI、血中脂質濃度、血圧など)が入手可能な45歳以上70歳未満の自然閉経後および両側卵巣摘出後の女性を対象にレトロスペクティブに検討した。その際、悪性腫瘍患者や高脂血症、高血圧、糖尿病で治療中およびホルモン療法施行中の女性は対象外とした。閉経後1年未満の女性も対象外とした。年齢とBMIで調整した血中脂質濃度、血圧について自然閉経群(N群)と両側卵巣摘出群(S群)で差があるかどうかを、閉経後3年未満、3年以上10年未満、10年以上の3群に分けて層別に解析した。血中脂質濃度は、閉経後年数にかかわらず、閉経の種類で差を認めなかった。収縮期および拡張期血圧は、閉経後早期では差を認めなかったが、閉経後10年以上では、S群がN群より有意に高値であった。早期のエストロゲンの急激な低下やその後の両側卵巣の消失が血管の性状に負の影響を及ぼす可能性が示唆された。現在、血管脈派速度など血管の性状の評価や血中炎症性サイトカイン/ケモカイン、高感度CRP、糖代謝や骨密度・骨代謝を中心に検討をすすめるために、研究協力者数を増やしているところである。
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