2011 Fiscal Year Annual Research Report
果物類摂取状況と動脈硬化、循環器疾患及び抗加齢作用との関連
Project/Area Number |
20590648
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡田 克俊 愛媛大学, 総合健康センター, 准教授 (10314949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 修一 愛媛大学, 総合健康センター, 教授 (80145078)
楠元 克徳 愛媛大学, 総合健康センター, 准教授 (10326960)
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Keywords | 果物摂取 / 動脈硬化 / 体力 / 循環器疾患 / 高次機能 / 抗加齢作用 |
Research Abstract |
本研究は、抗酸化物質の一つとして分類されている果物類の摂取状況が動脈硬化や高齢化に伴い今後ますます増加すると思われる循環器疾患発症や死亡を抑制しうるかどうかについて検討を行うことを目的としている。 本年度、この目的のために、柑橘類摂取状況アンケート及び基本的医学検査のベースライン調査を過去に完了している約1万人について、追跡調査の一環としての5年後の再測定調査、及び循環器疾患発症状況及び転出死亡等の追跡、人口動態統計目的外申請データとの照合等め調査を行った。 その結果、当研究開始からこれまでの間の累計として、追跡対象者のうち脳卒中163例、心筋梗塞46例、死亡675例の把握を完了し、果物類の摂取状況と循環器疾患発症及び死亡との関連の検討を行った。解析の結果、みかん摂取頻度が週1回未満の群と比べ、週に4回以上の群では、脳卒中の相対危険度が0.659(0.448-0.969;95%CI)、総死亡0.641(0.515-0.798)等と低下し、さらに旬の時期の多量摂取は悪い影響を示さなかった。さらに、前向きコホート研究であることから、集団寄与危険割合を検討した結果、旬の時期にみかんを週に4~6回以上摂取することは、脳卒中を44.1%、全死亡を41.7%減少することに寄与していたため、もし、これらの者が全く食べないとすると、その割合分増加することが示唆された。これらをまとめると、普段から食べている者においてリスクが低下するだけでなく、旬の時期、すなわち良く食べる時ですら食べない食生活はリスクが高く、「一般的な指導として、普段から食べることが望ましい」だけでなく、「せめて旬の時期だけでも食べましょう」という指導は間違いでないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全体調査について、H24年1月末時点の平均7.7年の追跡期間において、脳卒中163例、心筋梗塞46例、死亡635例の把握が完了している。途中解析の結果からは、予定よりも約1年程度早めに統計学的な有意差が検出されていることから、当初の計画以上に進展していると言える。今後この結果を確実なものにすべく追跡期間を延長する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の所、当初の計画通り継続した調査及び追跡データの収集とデータベース化が進行しており、今後も継続して実施する体制が構築されている。また、解析結果も順次できる体制となっていることから、追跡を継続することで、より詳細な解析が可能となる。さらに、このような体制が確立していることから、健康に関する新たな指標のベースライン調査を検討している。
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Research Products
(4 results)