2010 Fiscal Year Annual Research Report
原爆被爆者白血病及び類縁疾患の臨床的特性に基づいた発症リスク評価
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20590649
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩永 正子 活水女子大学, 健康生活学部, 教授 (00372772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 泰司 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40304943)
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Keywords | 放射線誘発白血病 / 骨髄異形成症候群 / 原爆被爆者集団 / がん疫学研究 / 腫瘍登録 / 放射線被爆 / 造血器腫瘍分類 / リスク評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、原爆被爆者白血病及び骨髄異形成症候群(MDS)について詳細な発生リスク評価をめざすものである。1)被爆者MDS発生リスク:最終解析を行ったあと国際ジャーナルへ投稿し、2010年12月受理された(J Clin.Oncol.)。長崎大学被曝者コホートにおいて、MDS発生は近距離被爆ほど有意に高く、被爆距離1kmあたりの過剰相対リスク(ERR)の減衰は1.2(95%信頼区間,0.4-3.0;P<0.001)であった。放射線影響研究所の寿命調査集団LSS長崎コホートにおいては、MDS発生と被曝線量には有意な線量反応関係があり、1GyあたりのERRは4.3(95%信頼区間,1.6-9.5;P<0.001)であった。性・到達年齢・誕生年を調整した解析において、MDS発生リスクは若年被爆者(被爆時年齢20歳以下)で有意に高値であった。さらに、白血病に移行しやすい高リスクのMDS (RAEB/RAEB-t)のほうが、白血病に移行しにくい低リスクMDS (RA/RARS)よりも近距離での発症リスクが高かった。2)FAB分類、WHO分類に基づいた被爆者白血病の発症リスク:腫瘍登録より確定した312例の被爆者白血病症例を見直し、そのうち74例について、正しいFAB分類コード、WHO分類コードへの修正を行った。今後、病型別の発症率と被曝線量との関連を解析する予定である。3)被爆者MDSの白血病進展と放射線曝露の関連:被爆距離2.5km以内の被爆者のほうが、被爆距離2.5km以遠の被爆者より、白血病進展率が高い傾向にあった(P=0.08)。症例収集が不十分なため、さらなる調査が必要である。4)被爆者MDSの染色体異常の特性:被爆者MDSのうち染色体検査結果が得られた107例について、複雑型染色体異常の発生頻度と被爆距離との関連を調べた。被爆距離<1.5kmの高リスクMDS症例は、複雑な染色体異常を呈する頻度が高かった(P=0.06)。
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Research Products
(4 results)