2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌リスクとその治療感受性における不飽和脂肪酸の役割
Project/Area Number |
20590650
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
郡山 千早 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (30274814)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 澄伯 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (50145554)
喜島 裕子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60381175)
神宮司 メグミ 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (70418862)
|
Keywords | 乳がん / 不飽和脂肪酸 / 治療感受性 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などのn-3系高度不飽和脂肪酸(n-3HUFAs)ががんの発症リスクを下げる可能性が示唆されている。乳がんにおいても、これまでの先行研究から、魚介類に多く含まれるn-3HUFAの生体内における役割は、乳がんの発がん過程のみならず、その治療効果やQOLにも大きく影響を与えている可能性が示唆されているが、それを総合的に検討した報告はない。そこで本研究では、乳がんのケース・コントロール研究において、血中のn-3 HUFAs濃度と乳がんリスクと関連等について検討することを目的としている。 平成22年度に収集した乳がん患者群および対照群の人数はそれぞれ49名と67名であった。これまでに収集した患者・対照群226名とあわせ年齢分布を調整した上で解析を行った結果、患者群において「肥満」、「不規則な生理周期」、「運動習慣なし」、「就寝時の部屋の明かりを消さない」および「乳がんの家族歴あり」の頻度が高かった。血液中の脂肪酸をガスクロマトグラフィーを用いて測定し、アラキドン酸(AA)とDHA比およびAA/EPA比を求めた。AA/DHAおよびAA/EPA比は、年齢や子どもの数、授乳期間と有意な負の相関を示した。魚の摂取頻度は対照群と比べて低い傾向にあったものの、ケースとコントロールでAA/DHA比およびAA/EPA比に統計学的有意差は認められなかった。また、n-6/n-3HUFAsにおいても患者群と対照群で有意な違いは認められなかった。
|
Research Products
(5 results)