2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポピュレーション・ストラテジーによる老化制御に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20590653
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
西尾 信宏 Wakayama Medical University, 医学部, 講師 (00278631)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
甲田 勝康 近畿大学, 医学部, 准教授 (60273182)
|
Keywords | エネルギー摂取 / 食事調査 / サイトカイン |
Research Abstract |
急速に高齢化が進展するとともに、寝たきりや認知症の高齢者が急速に増加し、高齢者のQOLおよび介護が問題となっている。こうした中で地域においても健康寿命の延長という観点から老化因子の特定と活用が期待されるが、現在まで老化を特定する確実なバイオマーカーは知られていない。一方カロリー制限(CR)の老化防止効果や健康寿命増大は、霊長類については確実視されており、ヒトのCRボランティア群においては、十分な栄養摂取により、体脂肪量の減少等、虚血性心疾患危険因子の改善が認められている。またCRP(C-reactive protein)値やTNF-α値の低下が認められている。老化を特定する確実なバイオマーカーは特定されていないが、これらの項目はヒトにおいても動物レベルにおいてもエネルギー制限に関連する指標と考えられ、老化とも関連している可能性がある。どの程度のエネルギー制限がヒトの寿命延長に効果があるかは決定されていないが、10~20%程度のCRは、各栄養素の基準1日摂取量値が保たれていれば、自由摂食時に対して正常で健全なレベルのエネルギー摂取とみなされ、健康で活動的な生活がおくれるとされている。この程度のエネルギー制限(低摂取)状態は、一般の市民においてもみられる状態である。主任研究者らは動物実験により、カロリー制限が動物のADLを向上させること、およびアレルギー症状が抑制されることを報告してきた。これらの経験より地域において、食事調査により住民の栄養摂取状況とエネルギー(カロリー)摂取を測定し、血中CRP、TNF-α等との関連を検討するとともに、がんや循環器疾患等罹患との関連について調査を行う意義があると考え、本研究を企画した。予備調査を行った後、地域住民を対象に血液検査および食事調査を行った。血中サイトカイン類の測定継続中で、食事内容との関連の解析を実施中である。
|