2009 Fiscal Year Annual Research Report
健康な子供および成人から分離される市中型MRSAの分子疫学的解析とその動向調査
Project/Area Number |
20590658
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
桑原 京子 Juntendo University, 医学部, 助教 (10167976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
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Keywords | 市中獲得型MRSA / MRC-NS / SCCmec / MLST / 健康な子供 / 健康成人 |
Research Abstract |
目的 健康な子供および成人からMRSAおよびメチシリン耐性遺伝子mecAを持つブドウ球菌(MRC-NS)がどの程度分離されるのか、鼻腔内の菌の調査を行った。 対象 都内のK保育園に通う園児101名、その職員19名、医学部学生94名、看護師28名 方法 サンプルは、鼻腔から採取し、マンニット食塩培地、およびセフチゾキシム10μg/ml含むマンニット食塩培地に塗布し、48時間培養した。分離された菌種の同定にはスタフィオグラムおよび塩基配列をおこなった。各種薬剤に対する感受性試験は、平板希釈法で行った。メチシリン耐性遺伝子カセットクロモゾーム(SCCmeco)のタイプ、PFGE、およびMLST等分子遺伝学的検討を行った。 結果及び考察 臨床経験の無い医学部学生からは、MRSA2名(2%)、MRC-NS48名(51.1%)が保有していた。看護師では、MRSAは分離されなかったが、MRC-NSを保有する人が28人中23人で82.1%も存在した。いずれもTypeIV型のSCCmecを持つ表皮ブドウ球菌が最も多く分離され、次に多かったものがtypeV型のSCCmecを持つCNSであった。9月に行った保育園の調査では、MRSAを保有していた人は園児一人の1%であり、MRC-NSは33.6%であった。検出されたMRSA株は、コアグラーゼ1型、SCCmecタイプはIIb型、毒素産生は無く、MLST解析では、ST89に属していた。このタイプの菌は、2002年に仙台の保育園児から初めて分離されたtypeのMRSAと同じであり、全国に広がっていることが示唆された。また、3回とも調査に参加した36人のうち、3回とも耐性菌が検出された人は1人のみであった。よって、健康な子供鼻腔には、長期間同一のMRC-NSが定着することはないと考えられた。
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