2010 Fiscal Year Annual Research Report
健康な子供および成人から分離される市中型MRSAの分子疫学的解析とその動向調査
Project/Area Number |
20590658
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
桑原 京子 順天堂大学, 医学部, 助教 (10167976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
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Keywords | 市中獲得型MRSA / MRC-NNS / SCCmec / 健康な子供 / 健康成人 / MLST |
Research Abstract |
目的:世界各地で多くの市中獲得型MRSAが、健康な子供および成人からMRSAおよびメチシリン耐性遺伝子mecAを持つコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRC-NS)がどの程度分離されるか、調査を行った。 対象:都内のK保育園に通う園児98名、職員27名、医学部学生87名 方法:サンプルは鼻腔から採取し、マンニット食塩培地、およびセフチソキシム10μg/mlを含むマンニット食塩培地に塗布し、48時間培養した。分離された菌種の同定にはスタフィログラムおよび塩基配列を行った。各種薬剤に対する感受性試験は、平板希釈法で行った。メチシリン耐性遺伝子カセットクロモゾーム(SCCmec)のタイプ、PFGEおよびMLST等分子遺伝学検討を行った。 結果および考察:臨床経験の無い医学部学生のうちMRSAを分離した者は1名(1%)。MRC-NSは、31名(32%)であった。保育園児の調査では、MSSAは32%,MRSAを保有していた人は、1名の1%であり、この3年間でMRSAが分離された人は、3名であった。連続して保持していた人は存在しなかった。しかし検出されたMRSA株のgenotypeは、2002年に仙台、京都の保育園児から分離されたMRSAと同じSCCmec type IV, ST88が検出された。このタイプは日本各地に広く生存し続けているMRSAの一つと示唆された。MRC-NSの分離率は48.1%であった。昨年とも連続して参加した園児69名のうち、連続してMRC-NSが検出された人は7名であった。MRC-NSも一時通過菌が多く、定着していると考えられるのは、約10%程度と示唆された。
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