2010 Fiscal Year Annual Research Report
健康診断を利用した自殺予防のためのうつ病スクリーニング有用性の検討
Project/Area Number |
20590659
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
竹内 武昭 帝京大学, 医学部, 助教 (60453700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 栄二 帝京大学, 医学部, 教授 (50114690)
中尾 睦宏 帝京大学, 公私立大学部局, 教授 (80282614)
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Keywords | 自殺予防 / うつ病 / 認知行動療法 |
Research Abstract |
昨年度のベースラインデータを基に、本年度は職場での認知行動療法(Cognitive behavioral therapy : CBT)の効果を確認するため、職域において、CBTの介入群とコントロール群に分けてうつ状態がどのように変化するかを検討した。 最終的に対象としたのはCBTによる治療群は28人、コントロール群は42人であった。1年間の治療期間中に臨床心理士は患者の必要性に応じて、4回-45回のセッションを受け持った。うつの評価指標にはCenter for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)を用いた。 研究期間中の集団全体でのうつ状態を示すCES-Dの総合点は優位に上昇した。(平均±標準偏差,12.4±4.3 to 16.5±6.5, p<0.01).其々の群では、CBT介入群ではうつ状態に優位な変化がなかった(平均±標準偏差,14.2±11.7 to 14.0±12.1, p=0.90)、一方コントロール群ではうつ状態が優位に上昇した(11.8±4.6 to 16.4±6.7, p=0.02).CES-Dの20項目の内、2008年から2009年の期間で優位もしくは境界優位な変化があったのは、集中力の低下、抑うつ、面倒だ、の3項目であった(それぞれ、p=0.05, 0.08, 0.09).CBTによる介入とCES-Dスコアの上昇の関連は性別・年齢を調整後の一般化線形モデル(GML)分析でネガティブに優位な負の相関が認められた(OR 0.27, 95%CI 0.10-0.79).本研究によりCBTには労働者のうつ症状の悪化を防止する効果がある可能性が示唆された。
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