2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590669
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
加藤 則子 国立保健医療科学院, 生涯保健部, 部長 (30150171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 紀子 国立保健医療科学院, 生涯保健部, 主任研究官 (40280755)
瀧本 秀美 国立保健医療科学院, 生涯保健部, 母子保健室長 (50270690)
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Keywords | 多胎児 / 低出生体重 / 子宮内発育遅滞 / 生活病胎児起源説 / アディポシティリバウンド |
Research Abstract |
多胎児の子宮内発育遅滞は単胎児のそれと機序が異なるため、多胎児おいて単胎児と同様に生活習慣病胎児起因説が当てはまるかどうかについて検討した。文献レビューを行ったところ、多胎児における生活習慣病胎児起源の検討は、遺伝と環境の影響について双生児法を用いて評価する趣旨の研究がほとんどであった。本研究課題の、低出生・体重であることが生活習慣病リスクにつながっていく度合いが単胎と多胎でどのように異なるかという観点の論文はわずかであり、それらは双胎においては生活習慣病リスクが起こりにくいというものだった。 本研究で収集できたデータにおいて、単胎と双胎との間で生活習慣病胎児起因の起こり方がどのように異なるかを検討した。1歳以降の小児期のBMIは成長とともに一旦下降してから増加に転ずる。この時期をadiposity reboundageといい、多くの研究により、この時期が早い方が成長に伴って生活習慣病リスクが起こりやすいことが分かっている。そこで、adiposity rebound ageと出生体重との関連を双胎と単胎で比較することにより、両者の間で子宮内発育遅滞が生活習慣病リスクにつながっている度合いがどのように異なるかを検討した。 単胎児のデータとしては男女計258例、出生から6歳まで毎月身体計測を行ったものが得られた。多胎児のデータとしては、男女計1864例、出生から12歳まで1年ごとの計測データを得た。単胎・双胎ともにadiposity rebound ageが若いほど6歳又は12歳で肥満傾向が大きい関連が認められた。妊娠期間を調整すると、同じ程度の低出生体重であれば、単胎の方がadiposity rebound ageが若く、6歳における肥満傾向が強いことが分かった。双胎の場合は単胎ほどIUGRが生活習慣病胎児起因に結びつかないことが明らかになった。 単胎の場合の子宮内発育不全は、栄養の胎盤供給が不十分なため生活習慣病胎児起因に結びつきやすいこと、双胎の低体重は子宮の大きさの制限によるので生活習慣病胎児起源を引き起こしにくいことが示唆された
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Research Products
(5 results)