2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590673
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高安 達典 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (80154912)
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Keywords | MDMA / 合成 / 麻薬 / 分子 / 毒性機序 / 病態解析 / 細胞レベル / 個体レベル |
Research Abstract |
本研究において,合成麻薬MDMAによる毒性機序について,1)血管内皮細胞を用い,2)実験動物としてマウスを用いて主に脳,心臓と肝・腎臓に焦点をあて,細胞レベルと個体レベルの相同・相違や,個体レベルの毒性変化があるかどうかを含め詳細に検討することを目的とした。まず,合成麻薬MDMAの合成:Broun Uら(J Pharmaceu Sci, 69, 192, 1980)の方法で合成した。合成されたMDMA塩酸塩はこれまでの報告と一致し,薄層クロマトグラフィーにより単一スポットであった。さらにDB-5カラムを用いたGC-MS法により確認・同定された。この様に合成されたMDMAを用いて,現在血管内皮細胞を用い毒性機序について実験を進めた。MDMAの一定濃度(0,1μM,10μM,100μM,1mM,10mM)を添加して1日後,細胞のmRNAをISOGEN試薬を用いて抽出し,逆転写酵素でcDNAを作製した。それをもとにPCR法により増幅し,各種のサイトカイン(IL-1β,TNFα,IFNγなど),ケモカイン(MIP1α,MCP1など)およびアポトーシス因子(Fas, FasLなど)の発現を行い電気泳動法にて検出した。得られたバンドは既存のバンド解析装置を用いて,それらの強度を数値化し,半定量化を行った。細胞の各種因子のmRNA量の半定量評価を経時的に比較検討した。さらにマウスを用いた動物実験により,MDMA塩酸塩のLD50値は75mg/kgであった。これらの詳細な結果は,学術論文および22年度の報告書にて報告する。
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