2008 Fiscal Year Annual Research Report
突然死・薬物関連死における内因性カンナビノイド関与の可能性の検討
Project/Area Number |
20590676
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
磯部 一郎 Fujita Health University, 医学部, 教授 (30315907)
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Keywords | 突然死 / 薬物関連死 / 内因性カンナビノイド / 細胞培養 / アストロサイト / ドーパミン / カンナビノイド受容体 |
Research Abstract |
生体が持つ内因性カンナビノイドシステムに対する薬物等の影響を明らかにすることを目的に、培養ラットアストロサイトを用いて、カンナビノイド受容体タイプ1(CB1)、タイプ2(CB2)、fatty acid amid hydrolase (FAAH)のメッセンジャーRNA発現状態と、それに対するドーパミン・エタノール等の影響をリアルタイムPCRにより検討した。培養アストロサイトには、前記の3遺伝子について発現が確認されたが、CB2の発現はかなり低レベルであることが推定された。100μMドーパミンによる刺激では、24時間の刺激により3遺伝子ともコントロールに比して発現量の低下が認められた。4時間までの刺激では3遺伝子ともその発現に明らかな変化は認められなかった。また、100mMエタノールの刺激では16時間刺激により3遺伝子ともコントロールに比し発現量の上昇傾向が認められたが、統計学的有為差は認められなかった。一方、ウエスタンブロットによる細胞内シグナル伝達系の主要なキナーゼであるERKおよびAKTのリン酸化状態の検索をおこなったところ、CB1受容体アゴニストによりこれらのキナーゼの活性が上昇することが示唆され、今回の実験系においてCB1受容体は一定の機能を果たしていると考えられた。さらにCB1アゴニストにより、CB1自体のメッセンジャーRNA発現は刺激前に比して上昇したが、CB2の発現には変化が認められなかった。以上はいずれも予備的実験の結果であり、今後実験条件等を十分に吟味して、これらの結果の再現性を検証していく必要がある。
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