2009 Fiscal Year Annual Research Report
集団間の分布が著しく異なる色素形成関連遺伝子多型の個人識別への応用
Project/Area Number |
20590678
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
湯浅 勲 Tottori University, 医学部, 准教授 (00093633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入澤 淑人 鳥取大学, 医学部, 教授 (90112226)
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Keywords | 色素形成遺伝子 / 多型 / 個人識別 / 帰属集団 / 祖先集団 |
Research Abstract |
国際化されつつある現在、目撃情報がない事件の犯罪加害者や災害などの被害者の身元情報として、当該の人々の祖先集団や帰属集団を推定することは法医鑑識において重要な研究項目である。本研究においては集団間の差異の著しいメラニン色素合成に関連する遺伝子に着目して上記の情報を得、あわせて、他の有効な単一塩基多型(SNP)や繰り返し多型(STR)を開発することが目的でめる。昨年、研究目的に合致したアジア人特異的なマーカーをみつけてきたが、今回、そのCFI遺伝子のSTRをアジアの諸集団で調べたところ、南中国で高い頻度を示し、北に向かって頻度が減少する地理的勾配が存在し、日本人では約10%の頻度で観察された。HERC1遺伝子ではアジア人集団では90%で、比較的均一な分布を示すのに対して、アフリカ人、ヨーロッパ人集団では、10%というきわめて頻度差の大きいマーカーを報告した。ABCC4、FBN1、CEP152、ZNF804B、GALNT11などもアジア人特異的な分布を示すことを明らかにした。FBN1は東北アジアかち頻度の地理的勾配がみられ、一方、ZNF804BはHERC1と同様に比較的均一な分布を示した。これらのアジア人集団特異的対立遺伝子を少なくとも一つもつ確率は日本人では95%以上であり、われわれが以前に報告したOCA2などのマーカーとあわせると、99.99%に達した。GALNT11には日本人特異的対立遺伝子も観察され、日本人であることを証明できる確率を高めることができた。
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Research Products
(4 results)