2010 Fiscal Year Annual Research Report
集団間の分布が著しく異なる色素形成関連遺伝子多型の個人識別への応用
Project/Area Number |
20590678
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
湯浅 勲 鳥取大学, 医学部, 准教授 (00093633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入澤 淑人 鳥取大学, 医学部, 教授 (90112226)
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Keywords | 色素形成遺伝子 / 多型 / 個人識別 / 帰属集団 / 祖先集団 |
Research Abstract |
日本国内に世界の各地からいろいろの集団の人々が居住しており、犯罪にまきこまれるケースがしばしば見受けられる。加害者あるいは被害者であれ、通常の個人識別では繰り返し配列多型(STR)を組み合わせて個人の同定を行っている。しかしながら、これらの情報は個人の民族、集団などの出自を語ってはくれない。ある特定地域に限局して分布する一塩基多型(SNP)を組み合わせることが、精度の高い判定法を確立するのに、必須である。今回、この目的ために、チベット人、オロチョン人、エヴェンキ人などのサンプルを入手し、20数集団の集団分析をおこなった。眼皮膚白皮症II型(OCA2)遺伝子上の二つの多型(p.A481Tとp.H615R)のうち、481Tはオロチョン人において、また、615Rは中国の長沙の漢民族において頻度がもっとも高く、それぞれ、北から南、南から北の地理的勾配が観察され、これらは東アジア特異的遺伝子として有用であった。日本人であることを証明するには、日本人に特異的な対立遺伝子が多数必要とされるが、先に報告したGALNT11のほかに、RPS6KA2、PLA2G12A、C1S、KCNJ16、MFGE8、FBXW11などの遺伝子上に見出され、さらに詳細に検討することにより多数の日本人特異的遺伝子が存在することが示唆された。また、集団間の分布が異なる色素形成関連遺伝子(ASIP、MATP、MC1R、MLPH、OCA2、SLC24A4、SLC24A5、SLC45A2、TYRP1など)や既知の集団特異的遺伝子(FY、HBなど)を組み合わせて多重増幅することにより、高い確率でもって、主要3集団の識別が可能となった。
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Research Products
(4 results)