2010 Fiscal Year Annual Research Report
大酒家突然死症候群と肝障害に関与する骨髄由来細胞の検討
Project/Area Number |
20590680
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤宮 龍也 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50219044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 金耀 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60379956)
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Keywords | アルコール / 大酒家 / 突然死 / 脂肪肝 / アルコール性臓器障害 / 骨髄幹細胞 / 法医学 / 伊東細胞 |
Research Abstract |
アルコールの慢性的な飲酒により種々の臓器に障害が起こる。法医病理学領域では大酒家突然死症候群が有名で、大量飲酒者が脂肪肝程度の障害しか認められないにもかかわらず、突然死する。この原因については不明な点が多い。骨髄細胞との細胞融合よって、肝臓、神経、筋肉細胞が形質転換を来たすことが報告されたが、細胞融合により細胞変性という特異な現象が他の臓器でも生じている司能性が考えられている。アルコール性臓器障害は肝臓・膵臓・神経・心臓・腎臓など多臓器に渡ることから、細胞変性・再生医学的な視点からの研究が必要である。本研究では、1)骨髄細胞と肝細胞の細胞融合という特異な現象を実験的に検討し、2)アルコール性肝障害で出現する骨髄由来細胞を選択的に調べ、3)この細胞がアルコール性肝障害や突然死にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目標とした。その結果、1)アルコール性臓器障害マウスをアルコールの慢性投与により作成した。2)主に肝臓の臓器障害を検討し、大きな障害は認められなかったが、骨髄由来の伊東細胞がアルコール投与により出現した。3)この骨髄由来の伊東細胞が臓器障害に関係することが判明した。4)心臓にもアルコール性臓器障害が出現し、肝臓と同じように筋線維芽細胞が出現することが明らかとなった。また、交感神経系の活性化がアルコール性臓器障害と関係している可能性が示唆された。今後、これらの病理的変化と突然死との関連を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)