2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーマイクロダイゼクションを用いた指紋隆線試料からのDNA解析法の構築
Project/Area Number |
20590684
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
原 正昭 Saitama Medical University, 医学部, 講師 (50129160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 綾 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30245196)
齋藤 一之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10215535)
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Keywords | 指紋隆線 / DNA抽出 / STR / レーザーマイクロダイゼクッション / 個人識別 |
Research Abstract |
近年、犯罪現場に残された証拠試料から被疑著壱特定するための有力な手段のひとつとして、皮膚接触痕からのDNA型解析が注目されてきている。 本年度(20年度)は基礎的実験として、(1):クリアファイルに両面テープを貼り付け、その上に指紋を付着さ、その指紋付着部分を滅菌メスで切り取り、マイクロチューブ内に採取した試料からのDNA抽出を実施した。DNA抽出方法は、QIAGEN社のQIAamp DNA Micro KitとWAKO社のDNA Extractor FM Kitの2法で実施した。抽出DNA試料からのDNA酷解析は、市販のAmpFLSTR Identifiler^<TM> Kitを用いて、16ローカスのSTR型およびマメロゲニンローカスの型判定を実施した。その結果、両面テープに付させた指紋試料を用いたDNA抽出および解析結果は、指紋提供者5名共、手指(示指)の第一関節までの指紋1個を使用した場合は、いずれの抽出方法でも正確な型判定が可能であった。また指紋隆線付着部分を1〜2cm^2大採取した少量の試料かの解析結果には、個人差はあったもの16ローカスのSTR型の5ローカス〜16ローカス判定することが可能であった。 (2)さらに、メンブレン付きのスライドガラスに指紋を採取した試料に、アルミニューム粉末を添加し、マイクロダイゼクションを用いて、指紋隆線部分を4〜20本採取した。採取後、直ちにDNA Extractor FM Kitを使用しDNA抽出した。抽出DNA試料は前記と同様の方法でSTR型解析を実施した。その結果、隆線試料20本程度(約70mm^2)使用では、3〜15ローカスの型判定が可能であったが、アレルドロップアウト現象(本来ヘテロ型であるのにホモ型と誤判定される現象)やコンタミ現象がみられた。今後は、より微量な指紋隆線試料からの判定については、さらにWGA法(全ゲノム増幅)等の検討を実施しより確実性を高めたい。
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