2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーマイクロダイゼクションを用いた指紋隆線試料からのDNA解析法の構築
Project/Area Number |
20590684
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
原 正昭 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50129160)
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Keywords | 指紋隆線 / DNA抽出 / STR / レーザーマイクロダイゼクッション / 個人識別 / 物体検査 |
Research Abstract |
平成22年度は、前年度に続きさらに微量な指紋付着試料からのSTR型判定が可能であるか否かの検討を実施した。 方法は、メンブレン付きのスライドガラスに示指を付着させた指紋試料を用いて、指紋付着部位にアルミニューム粉末を添加後、レーザーマイクロダイゼクション装置を使用し、10×6~7×2mm大の大きさで指紋付着部位を採取した。同採取試料を用いてDNA抽出を実施後、AmpFLSTR Identifiler <TM> Kitによる15ローカスのSTR型解析並びにアメロゲニンローカスによる性別判定を実施した。 その結果、10×6mm大で12ローカス、7×4mm大で7ローカス、7×2mm大で4ローカスのSTR型が判定された。 また、実際に15×8~10×6mm大の指紋付着試料におけるDNA回収量の測定を実施した。方法は、市販のヒトゲノム定量キット用いたリアルタイムPCR法で測定した。その結果、指紋付着試料15×8mm大で450pg、同10×6mm大で25pgの回収が確認された。 以上の結果から、15×8mm大程度の指紋付着物からでも450pgのDNAの回収が可能であり、10数ローカスのSTR型判定が可能であることが示唆された。しかし、使用量が少なくなるに伴いアレルドロップアウト現象やコンタミ現象による判定不能なローカスが出現してきた。今後は、より微量な指紋隆線試料からの解析については、さらにWGA法(全ゲノム増幅)等の検討を実施しより確実性を高める必要が考えられた。
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Research Products
(3 results)