2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域における軽症パーキンソン病患者の早期診断に関する検討
Project/Area Number |
20590698
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中島 健二 Tottori University, 医学部, 教授 (70144673)
|
Keywords | 老年医学 / 脳神経疾患 / パーキンソン病 / 早期診断 / アクチグラフ / 高齢者 / 地域 / 質問紙 |
Research Abstract |
運動症状、睡眠関連症状、うつ症状、幻覚症状、嗅覚障害、自律神経症状などの項目による、パーキンソン病(PD)のスクリーニング用質問紙を作成し、島根県海士町の60歳以上の町民(1129人)に配布した(回収率:86.6%)。同意を得られた住民には神経内科医による診察を行い、PDと、PDの前段階と考えられる軽度パーキンソン徴候(mild Parkinsonian sign : MPS)について調査した。MPSは、Unified PD rating scale(UPDRS)におけるスコアが少なくとも1項目において1点を示すMPS-mと、少なくとも1項目で2点を示すMPS-sについて検討した。また、町内5地域で同意が得られた住民(245名)については質問紙のみならず運動能力評価目的にアクチグラフィー検査を実施し、アクチグラフィーのPD・MPSスクリーニングにおける有用性についても検討した。 神経学的診察を行った598名(63.2%)において、PD患者は13例把握され、海士町におけるPD有病率は人口10万人あたり540.8(2009年の全国人口による訂正有病率は277.4)と高率であった。65歳以上の住民におけるPD有病率は1.42%であった。MPS-mは165名で有病率は17.4%、MPS-sは44名で有病率は4.7%と算定された。MPS、特にMPS-sのスクリーニングには、質問紙とアクチグラフィー検査の組み合わせが、最も感度が高かった。 来年度は、これらの調査を継続するほか、可能な範囲で画像検査解析も検討に加え、さらに、質問紙についても一般住民・MPS・PDでの比較も含めて詳細に検討すると共に、診断マーカーについての検討も進める。今後、MPS群をフォローアップしてPDなどへの進行の有無とその頻度、さらには、その進行予防などについても検討する必要がある。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Journal Article] Genome-wide association study identifies common variants at fourloci as genetic risk factors for Parkinson's disease2009
Author(s)
Satake W, Nakabayashi Y, Mizuta I, Hirota Y, Ito, Kubo M, Kawaguchi T, Tsunoda T, Watanabe M, Takeda A, Tomiyama H, Nakashima K, Hasegawa K, Obata F, Yoshikawa T, Kawashima H, Sakoda S, Yamamoto M, Hattori N, Murata M, Nakamura Y, Toda T
-
Journal Title
Nature Genetics 41
Pages: 1303-1307
Peer Reviewed
-