2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590699
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山口 徹 Shimane University, 医学部, 准教授 (00239899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 昌弘 島根大学, 医学部, 助教 (50346392)
金沢 一平 島根大学, 医学部, 助教 (50452553)
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Keywords | 骨芽細胞 / メバロン酸経路 / AMP Kinase / Rho-kinase / Bone morphogenetic protein-2 |
Research Abstract |
5-amino-imidazole-4-carboxamide-riboside(AICAR)はAMP-activated protein kinase(AMPK)活性化によりメバロン酸経路の上流に存在するHMG-CoA reductase阻害、hydroxyfasudil(HF)は直接的に同経路の下流に存在するRho-kinase(ROK)を阻害するため、ともに糖尿病、動脈硬化の治療標的として注目されているが、両剤の骨代謝における作用は不明である。両剤が骨芽細胞においてメバロン酸経路阻害を介して骨形成に影響を与えるか否かを骨芽細胞様細胞MC3T3-E1を用いて検討した。Real-time PCRによりBMP-2、osteocalcin(OC)mRNA発現の定量を行い、培養14日目にALP染色・活性定量、培養21日目にvon Kossa、Alizarin red染色にて石灰化能の検討を行った。MC3T3-E1細胞において、AICARは濃度・時間依存的にBMp-2およびOC発現を増強し、石灰化促進作用を示した。MevalonateあるいはGeranyl-geranyl pyrophosphateをAICARと同時投与することにより、メバロン酸経路の抑制を解除すると、AICARの作用は消失した。一方、HF投与も同様に濃度・時間依存的にBMP-2発現を増強し、ALP活性、OC発現、石灰化能を増強した。我々はAICARがMC3T3-E1細胞の分化、石灰化能を増強させることを以前報告したが、同作用はAMPK活性化によるメバロン酸経路阻害に引き続くBMP-2発現増強を介していることが示された。一方、同経路の下流に存在するROK阻害もBMP-2発現増強を介して石灰化を促進することが示された。このことより、AICARとHFによるメバロン酸経路阻害は糖尿病、動脈硬化の治療のみならず、新たな骨粗鬆症の治療手段ともなり得る可能性があり、治療薬を通じた骨血管連関が示唆された。
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Research Products
(23 results)