2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590699
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山口 徹 Shimane University, 医学部, 准教授 (00239899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 昌弘 島根大学, 医学部, 助教 (50346392)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 椎体骨折 / 2型糖尿病 / osteoclcin / 動脈硬化 / adiponectin |
Research Abstract |
糖尿病の治療により血糖値が改善すると、骨形成の指標である血中osteocalcin濃度が上昇することは知られていたが、そめ変化を予測する指標が存在するかどうかを検討した研究はなかった。adiponectinは脂肪細胞より特異的に分泌されるホルモンであるが、我々は、治療前の血中adiponectinレベルは血糖コントロールによる血中osteocalcinレベルの変化率と正の相関を示すことを報告した。このことは、糖尿病治療前の血中adiponectinレベルが高いほど、血中osteocalcinレベルの上昇度も大きいことを示し、糖尿病治療前の血中adiponectinレベルが、血糖コントロールによる骨代謝改善の変化の度合いを事前に予測しうる指標となることが示唆された。この知見は糖・脂質代謝と骨代謝の相互連関を再び示唆するものであり、米国内分泌学会の広報紙であるEndocrine NewsでもTrends欄で紹介された(J. Clin. Endocrinol. Metab. 94 : 3031-3037, 2009)。 臨床研究のメタ解析により、2型糖尿病では約2倍程度に大腿骨頸部骨折リスクが上昇するが、BMDはそのリスク評価に有用ではないとされている。大腿骨頸部骨折と比較し椎体骨折は発生頻度が高く、患者の生命予後も大腿骨頸部骨折と同等以上に不良であるが、2型糖尿病患者における椎体骨折リスクについては不明な点が多かった。我々は2型糖尿病男女において、非糖尿病対照群と比較して椎体骨折リスクが上昇することを見いだし、そのリスク評価にBMDは、大腿骨頚部骨折におけると同じく有用でないことを報告した。この論文は、日本人において糖尿病患者の骨折リスクを体系的に検討した最初の報告であり、骨代謝研究のleading journalに掲載された(J. Bone Miner. Res. 24 : 702-709, 2009)
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Research Products
(18 results)