2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590699
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山口 徹 島根大学, 医学部, 准教授 (00239899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 昌弘 島根大学, 医学部, 助教 (50346392)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 椎体骨折 / 2型糖尿病 / IGF-I / 骨芽細胞 / メバロン酸経路 / osteocalcin |
Research Abstract |
基礎研究では、メバロン酸経路の下流に存在するRho Kinaseの阻害剤であるFasdiulが、BHP-2発現増強を介して骨芽細胞前駆細胞の分化を促進することを示し、Fasdiulが骨疾患の治療薬としても有用である可能性を示した(Endocr J 57:415,2010)。臨床研究では、2型糖尿病治療前の血中adiponectin値が、治療1年後の骨密度増加と正相関し、血糖改善による骨量増加効果の予測指標として使用可能なことを示唆した(Metabolism 59:1252,2010)。また、血中IGF-I値が2型糖尿病閉経後女性において多発椎体骨折数と逆相関しており、血中IGF-I値が椎体骨折の重症度評価に有用であることを示した(Osteoporos Int.2010 Jun 8.[Epub ahead of print])。血中undercarboxylated osteocalcin値は2型糖尿病において血糖値や体脂肪量と負の相関を示し(Osteoporos Int.22:187,2011)、一方、血中osteocalcin値は2型糖尿病においてインスリン感受性やインスリン分泌と正相関することを示した(Bone in press)。これらの結果は、骨芽細胞から特異的に分泌されるosteocalcinが糖代謝に関係することを示し、骨代謝と糖代謝の間にosteocalcinを介する共通の病態が存在する可能性を示唆した。糖尿病治療薬であるpioglitazone内服は日本人2型糖尿病患者においても椎体骨折と有意に関係することを示し(J.Bone Miner.Metab.28:554,2010)、その内服による1年後の骨密度減少の予測には内服前の動脈硬化指標が有用であることを報告した(Osteoporos. Int.21:2013,2010)。超音波骨密度測定は骨質を評価しうるため2型糖尿病の椎体骨折リスク評価に有用である可能性が考えられたが、実際に検討したところ、DXA法による骨密度測定と同様に椎体骨折リスクの評価には有用でないことが判明した(J.Bone Miner.Metab,in press)。
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Research Products
(18 results)