2009 Fiscal Year Annual Research Report
禁煙後に生じる体重増加が動脈硬化に及ぼす影響とその予測因子の解析
Project/Area Number |
20590704
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹島 史直 Nagasaki University, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70284693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中道 聖子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (60457520)
井上 圭太 長崎大学, 大学病院, 助教 (20515829)
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Keywords | 禁煙 / 体重増加 / 動脈硬化 / 血管内皮機能 |
Research Abstract |
1. 研究の目的喫煙者において禁煙前後の体重の変化と動脈硬化への影響を前向きに検討することで禁煙後の体重増加が動脈硬化のリスクとなりうるかどうかを明らかにする。 2. 研究実績 (1) 平成22年3月17日までに30症例が禁煙に成功した。 (2) この30例において平均体重は、禁煙前63.9+/-12.2、8週間後65.9+/-12.0、16週間後66.5+/-11.9kgと禁煙後に有意に増加した。 (3) 8例の禁煙成功者において測定した上腕動脈の%FMD値は、禁煙前3.67+/-2.13であり、8週間後に4.57+/-1.97と一旦改善傾向を示した(p=0.12)が、16週後では4.25+/-1.88とそれ以上の改善は認められなかった。 (4) 30例の禁煙成功者において測定した頸動脈のIMT値は、禁煙前0.77+/-0.24、8週間後0.74+/-0.18、16週後0.77+/-0.20と変化は認められなかった。 (5) 30例の禁煙成功者において測定したCAVI値は、禁煙前、8週間後、16週後において変化は認められなかった。 (6) 30例の禁煙成功者において禁煙前後における血清中のHDL-C、LDL-C、葉酸、ホモシステイン、高感度CRP、IL-6、TNF-α、アディポネクチンを測定した。HDL-Cは禁煙前(58.5+/-11.5)に比較して8週後(61.5+/-14.3)に有意に増加した(p=0.012)。アディポネクチンは、禁煙前(4.35+/-2.59)に比較して8週後(4.71+/-3.00)に有意に増加した(p=0.017)が、16週後では前値に復した(4.30+/-2.88)。 3. 今後の計画FMD値及びアディポネクチン値が禁煙8週間後には、改善し、16週間後では、悪化する1つの原因として体重増加が考えられる。症例を体重増加群と不変群とに分けて比較検討する。
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