2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に対する再生医療実現を目指した新規細胞ソースの開発
Project/Area Number |
20590707
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松本 太郎 Nihon University, 医学部, 准教授 (50366580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加野 浩一郎 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (80271039)
入部 雄司 日本大学, 医学部, 助手 (20348618)
和田 美夏 日本大学, 医学部, 助教 (90420950)
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Keywords | 脂肪細胞 / 脱分化脂肪細胞 / 血管新生 / 再生医療 / 間葉系幹細胞 / 骨粗鬆症 / 骨芽細胞 / 細胞治療 |
Research Abstract |
1.効率的な骨組織誘導法の確立 種々の年齢や、部位の異なる脂肪組織から調製したヒト脱分化脂肪細胞を人工骨基質(β-TCP/collagenスポンジ)に播種し、3週間骨誘導培地にて培養後、骨分化能を評価した。その結果、81歳のドナーから採取、調製した脱分化脂肪細胞でも高度な石灰化を伴う骨組織を誘導できることが明らかになった。また皮下に比べて、骨髄脂肪細胞から調製した脱分化脂肪細胞はより成熟度の高い骨組織に分化しやすいことが明らかになった。 2.効率的な血管誘導法の確立 種々の年齢の患者から調製した脱分化脂肪細胞を低酸素下および正常酸素下で培養し、培養上清の血管新生能をヒト妻帯静脈血管内皮細胞を用いたin vitro管腔形成アッセイ法を用いて比較検討した。その結果、ドナー年齢に無関係に脱分化脂肪細胞培養上清は高い管腔形成能を示すことが明らかになった。また1%低酸素条件下では正常酸素下に比べ、培養上清がより高い血管新生能を示すことが明らかになった。 3.骨粗鬆症モデル創物の作製 マウスの両側卵巣を摘出し、閉経性骨粗鬆症モデルの作製を試みた。卵巣摘出後、経時的に二重X線エネルギー法にて両側大腿骨の骨密度測定および血清骨代謝マーカーの測定を行った。その結果、卵巣摘出5ヶ月後には、摘出前に比べて両側大腿骨骨密度の有意な低下と、血清BAPの減少が認められた。この結果から、卵巣摘出による閉経性骨粗鬆症モデル作製手順を確立することができた。また大腿骨遠位端より蛍光ラベルした脱分化脂肪細胞を骨髄内に注入することにより、効率的に大腿骨内へ細胞をデリバリーできることを確認した。次年度はウサギやラットに対して卵巣摘出を行い、脂肪組織から脱分化脂肪細胞を調製し、自家移植を行う予定である。
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