2008 Fiscal Year Annual Research Report
食道扁平上皮の恒常性維持におけるNotchシグナルの役割と腺癌発症機構の解明
Project/Area Number |
20590724
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石村 典久 Shimane University, 医学部, 助教 (40346383)
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Keywords | シグナル伝達 / 癌 / Notch |
Research Abstract |
バレット食道およびバレット食道癌発生におけるNotchシグナルの関連については明らかとなってない。そこで、食道扁平上皮の恒常性維持におけるNotchシグナルの機能解析を行うとともに、バレット食道及びバレット食道を発生母地とした腺癌の発症機構におけるNotchシグナルの関与の詳細を解明することを目的とし、今年度は以下の研究実績を得た。 1.食道扁平上皮におけるNotchシグナル発現状況の解析 ヒト生検組織及び手術標本を用いて、食道扁平上皮におけるNotchシグナル関連蛋白(Notch-1〜4、Jagged-1・2)の発現を免疫組織染色法にて検討を行った。Notch-1〜3については、食道扁平上皮の細胞質に発現を認めたが、Notch-4については発現を認めなかった。また、Jagged-1およびJagged-2については同様に扁平上皮において発現を認めた。続いて、不死化ヒト食道扁平上皮株(HetlA)におけるNotchシグナル関連因子の発現状況を蛋白レベル(Western Blot)及びmRNAレベル(定最PCR)を用いて検討した。この結果、免疫組織染色法による検討と同様にNotch-1〜3、Jagged-1,2は蛋白レベル・mRNAレベル共に検出されたが、Notch-4については検出されなかった。 2.バレット食道・食道腺癌及び食道扁平上皮癌におけるNotchシグナル発現状況の解析 組織学的にバレット食道・腺癌と診断されたヒト生検組織及び手術標本を期いて、Notchシグナル関連蛋白(前述)の発現を免疫組織染色法にて検討を行った。バレット腺癌におけるNotch-1の発現は食道扁平止皮の発現に比して強く認められた。Notch-2,3については発現状況に差を認めず、Notch-4については発現を認めなかった。HES-1の発現は腺癌組織において著明な発現低下を認めた。
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