2008 Fiscal Year Annual Research Report
摂食行動に関連する中枢神経系の小腸粘膜のアポトーシス・増殖に及ぼす影響
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20590728
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤本 一眞 Saga University, 医学部, 教授 (50181392)
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Keywords | 視床下部 / 摂食中枢 / 満腹中枢 / アミン類 / 糖類 / レプチン / グレリン / 小腸培養 |
Research Abstract |
小腸はターンオーバーの速い臓器であり,増殖能は高くアポトーシスが容易に誘導される.今までの研究の多くが小腸の増殖機構のみに焦点をあてていたが、我々は一連の研究で小腸粘膜の増殖機構に加えてアポトーシスの発現機序について解明してきた.小腸のアポトーシスの研究自体が独創的であるが,アポトーシスの発現の機構と生理的意義に注目して研究をすすめているグループは少ないのが現状である.代謝調節において重要な臓器である小腸の増殖機構やアポトーシスの発現意義を解明することでは小腸の機能だけでなく生体全体の代謝調節の解明に重要な意義をもつと考えられる.今回の課題では小腸のアポトーシスへの中枢神経系への関与に焦点をあてて検討した.中枢神経系と消化管は生体の代謝調節に重要な臓器であるが、我々の研究で小腸粘膜の形態に及ぼす視床下部諸核を中心とする中枢神経系の関与が明らかになった.さらに中枢神経による小腸粘膜の増殖機構やアポトーシス実行機序を解明した.来年度以後もより詳細な検討をくわえ、中枢神経系と小腸の粘膜の増殖機構との関連を明確にする予定である.小腸粘膜のアポトーシスの分子機構をin vivoに実験系で実証していく予定であるが,得られた結果はin vitroの実験系による確認が不可欠になるもので多い.生理的条件下に近いコラーゲン三次元培養法による初代培養細胞を用いた小腸粘膜細胞の再構築に成功しており,来年度以後はこの系を用いたin vivo実験系でin vitroでの実験結果の妥当性を証明したい.
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