2010 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患における小胞体分子シャペロン異常の解明
Project/Area Number |
20590733
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
伊藤 貴博 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (30396361)
|
Keywords | 免疫学 / 感染症 / 蛋白質 / ストレス |
Research Abstract |
(1)ヒト正常対照および炎症性腸疾患患者の小腸上皮細胞におけるfoldingの確認方法の確立 インフォームド・コンセントの元に得た小腸切除手術材料から,EDTA分離法により腸管粘膜の陰窩および絨毛を単離しさらに細菌やLPSなどと反応させバネート細胞分泌物(蛋白,ペプチド)を得た.このクルードな分泌物を昨年度と同様2次元電気泳動にて展開し,スポットを切り出しMOLDI-TOF質量分析装置にて各蛋白質・ペプチドの同定を引き続き行った.Foldingの確認方法の確立については成功しなかったが,Paneth細胞顆粒や分泌物中に含まれるdefensinであるHD-5およびHD-6の定量に世界で初めて成功した (2)ジスフィルド結合関連シャペロン分子であるPDIやglutathioneの機能解析 健常者の小腸粘膜においてPDIの免疫染色を行いPaneth細胞に発現していることを確認した.Real-time PCRにて健常者とIBD患者(特にクローン病患者)のPDIやglutathioneのmRNA発現を昨年同様うまくとらえきれなかった.健常者とクローン病患者の小腸切除手術材料から上記と同様の方法で得たピュアな単離小腸陰窩におけるHD-5のmRNA発現をReal-time PCRで解析したところ,クローン病患者でHD-5の発現が低下していた.また,Paneth細胞分泌物をヒト大腸癌細胞株を刺激しIL-8,TNF-α,IL-1β,IL-13,RANTES,TGF-β1といったサイトカイン・ケモカインを分泌させることを発見し,Panetb細胞が自然免疫としての働きのみならず他の腸管上皮細胞にはたらき間接的に獲得免疫に関与していることを示唆する研究結果となった
|
Research Products
(4 results)