2010 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病マクロファージの機能解析:オートファジーから見た細菌応答・分化異常
Project/Area Number |
20590750
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡本 晋 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70255446)
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Keywords | クローン病 / オートファジー / マクロファージ |
Research Abstract |
本年度は、クローン病のマウスモデルとして汎用されているTNBS惹起大腸炎モデルおよび自然腸炎発症モデルであるIL-10ノックアウトマウスを用い、クローン病腸管局所におけるオートファジーの動態を、特にマクロファージを中心に解析することを試みた。TNBS大腸炎については、以前から報告が見られるように、炎症の惹起にばらつきが大きく、今回も安定したクローン病類似腸管炎症の惹起は困難であった。このため、IL-10ノックアウトマウスに切り替え、検討を行なった。われわれの研究所においては、SPF飼育下でのIL-10ノックアウトマウスの自然腸炎発症率は3割程度である(Nonpathogenic Escherichia coli strain Nissle 1917 prevents murine acute and chronic colitis.Kamada N et al,Inflamm Bowel Dis 2005(5)455-463)。昨年までと同様、抗LC-3抗体を用いて免疫染色を行なったが、正常腸管と炎症腸管で、マクロファージ・上皮ともに染色状態に明らかな差異を見出せなかった。昨年までのヒト検体における検討からも、同抗体では腸管、特にマクロファージにおけるオートファージーの動態を解析することは困難と判断し、現在、ヒト単球にレトロウイルスベクターであるGFP-LC3を導入したin vitroの実験も検討している。しかしながら、vivoの実験においては、遺伝子操作マウスでの検討が必要かもしれない。
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