2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤耐性肝炎ウイルスにおける単塩基変異株の定量測定系の開発
Project/Area Number |
20590753
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
髭 修平 Hokkaido University, 大学病院, 講師 (70261295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中馬 誠 北海道大学, 大学病院, 助教 (30360910)
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Keywords | 肝炎ウイルス / 薬剤耐性 / 変異株 / 変異株定量 / 核酸アナログ / MGBプローブ / ペプチド核酸 / real-time PCR法 |
Research Abstract |
昨年度は、新規定量測定系における基礎検討を進め、real-time PCR法による変異株測定において、MGBプローブのみの測定では比較少数の変異株測定の定量性を確保できず、ペプチド核酸を併用することにより、正確な定量が可能となることを明らかにした。本年度は、この新規定量系を臨床検体の測定に導入し、臨床的有用性の評価・解析を行った。ラミブジン投与中のB型慢性肝炎患者に対する個々の症例の解析により、出現する耐性ウイルスの種類や経時的変動、さらに肝炎再燃(breakthrough hepatitis)への影響は、症例によって異なることが明らかなになった。経時的な変異株の種類や、量的な変動とその後に生ずる肝機能障害とに関連から、変異株とbreakthrough hepatitisの関係を群別化することができた。現在、保険適応下で測定可能なHBV-DNAの定量結果と比較すると、個々の変異株の経時的変動が可能となることで、発現する肝炎の時期・程度における予知・予測に関する精度が高まることが明らかにされた。さらに、種類の異なる耐性ウイルス株の増殖性や、複数の抗HBV剤に対する反応性の違いなどを、in vivoの変化から解析することができた。本方法の基礎検討結果から変異ウイルスの定量測定系の限界も明らかとなり、既報の測定系の一部において、定量性の評価が不十分であることも示唆された。現在、これらの成果に関しては論文化し投稿中である。
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